【イタリア大使館 貿易促進部、多様なイタリアバイオテクノロジー関連企業12社を紹介】

イタリア大使館貿易促進部

小間番号: D-68

イタリアでは近年バイオテクノロジー産業が盛んになっている。イタリア国内の製造業全体の研究開発投資金額の中で、バイオテクノロジー関連企業の金額は5%以上を占めるなど、イタリアのイノベーションを牽引する存在であることが確認されている。コロナ禍では厳しい状況に置かれ、イタリアのバイオテクノロジー関連企業は2020年にわずかに減少したものの、減少率は1%程度で踏みとどまり、2021年には再び増加に転じた。

BioJapanでは、イタリア大使館貿易促進部(ITA-Italian Trade Agency) が同国のバイオテクノロジー関連企業12社を紹介する。

「メイド・イン・イタリア」を届ける

イタリア大使館貿易促進部(ITA-Italian Trade Agency)はイタリア企業や各州政府、業界団体、その他の官民関連組織と連携を取りながら、「メイド・イン・イタリア」製品およびサービスの販売力強化を目的として活動を行なっている。

今回イタリア大使館貿易促進部(ITA-Italian Trade Agency)が案内するバイオテクノロジー関連企業は以下の12社。関心のある事業や、イタリア展開のきっかけとしたい企業があればぜひアプローチしていただきたい。

・Sibylla Biotech SRL
独自のタンパク質フォールディング・プラットフォーム技術を通じて、新しいクラスの低分子フォールディング干渉分解剤の開発に注力するバイオテクノロジー企業。フォールディング過程全体をシミュレーションし、原子分解能で長寿命かつ未探索のフォールディング中間体の特徴付けができる。フォールディング中間体を標的とした創薬が可能になり、社内のパイプラインが前臨床開発に向けて進行中とのこと。

・Icrom srl
新規化学物質(NCE)やブランドジェネリックなどのハイテク医薬品有効成分(API)のカスタム開発と受託製造でイタリアを代表する専門企業。マルチスケールのキャパシティをもつ最先端の4つの製造ユニットで、バッチあたり数百グラム(臨床規模)から数トン(商業規模)までのGMP準拠APIを製造できるとのこと。全ユニットがcGMPを遵守し、EMA、USFDA、PMDAによる承認済み。

・InSilicoTrials
クラウドベースのプラットフォームInSilicoTrials.comを運用し、医薬品や医療機器の開発にかかるコストと時間の大幅な削減を必要としている医薬品開発受託機関(CRO)や製薬会社、医療技術企業に、検証済みのモデルとシミュレーションを提供。従来の臨床試験の規制対象要件を満たす検証済みの仮想環境で、医療機器・新薬使用のシミュレーションが可能といった特長がある。

・OLON SpA
医薬品開発製造受託(CDMO)とジェネリック市場向けの医薬品有効成分(API)の開発および製造の世界的リーダー。世界各地に11の製造施設と7つの研究開発部門からなるグローバルネットワークをもち、製薬、バイオテクノロジー、食品、化学、バイオインダストリーの分野における企業の支援に数十年の実績がある。特に微生物発酵に関しては、常に人と環境の安全に配慮しているとのこと。

・ReiThera Srl
先端治療のための遺伝子ワクチンおよび医薬品の開発、GMP製造、臨床解釈を専門とするバイオテクノロジー企業。AD、MVA、AAV、HSV、LVなどのウイルスベクターの臨床ロット製造に関するcGMP製造サービスと、前臨床および以降の臨床試験時における生体化合物の免疫モニタリング、免疫特性評価試験を提供している。

・Remembrane Srl
「Refeed」というブランド名で市販されている、カスタマイズされたGMPグレードの膜ターゲティング脂質混合物を設計、開発、製造。Refeedを用いることで、微生物からヒト細胞まで、あらゆる培養細胞の主要な性能パラメーターを向上できるとしている。主にバイオ製造、in vitro試験、先端治療の分野で、医薬品部門と産業バイオテクノロジー部門の世界中のユーザーに広く使用されているとのこと。

・Axxam SpA
医薬品、作物保護、動物衛生、化粧品、香料、食品・飲料などのライフサイエンス業界に、統合された初期段階の創薬サービスを提供する医薬品開発受託機関(CRO)。細胞ベース/生化学的アッセイ開発、自社の高品質な化合物コレクション(低分子化合物・天然物ライブラリ)またはクライアント提供化合物のハイスループットスクリーニング、化合物管理、ヒット同定、ヒット検証などの専門性を強化しており、電気生理学、ハイコンテントスクリーニング、ゲノム編集、オプトジェネティクス、iPSCなどの革新的技術を有する。

・PIEMONTE AGENCY
イタリア・ピエモンテ地方の国際化を目的に、イタリア国内外の企業によるピエモンテ地方への質の高い投資を奨励し、事業の各段階およびアフターケアの活動を支援する。あらゆる側面からピエモンテ地方での起業と経営に関する助言を行い、外国投資家と公的機関、学術/研究ネットワーク、業界の間をつなぐ事務局の役目も果たす。すべてのサービスは無料で利用可能。

・BIOREP S.r.l.
2003年にミラノで設立されたSapio Groupの子会社で、公的/民間研究機関、バイオテクノロジー企業、製薬企業に対し、最高レベルの品質と安全性を保証する生物材料保存サービスを提供できる初の生物資源センター。細胞、分子生物学、NGS/出生前スクリーニングに関するサービスのほか、生物材料の保存状態の監視・制御システムなどの統合ソリューションを提供している。

・Eywa srl
再生医療に関する革新的な製品を製造・販売する医療機器メーカー。中核事業である医療用電気機器の「Limfa Therapy」は、外傷や慢性疾患(骨粗鬆症、硬化遅延、関節症など)により損傷した骨や軟部組織の修復を促し、幹細胞のII型コラーゲンへの分化を適切な方法で刺激できるという。この技術は完全に自動化(プログラムが機器にプリロード)されており、オペレーターを必要としないのも特長。

・TheProphetAI S.r.l
ライフサイエンス部門への人工知能(AI)導入に取り組む新興テック企業。たとえば、生物学試薬サプライヤーと販売業者が顧客の需要に対する理解を深められるよう支援する。また、研究者の作業を支援するだけでなく、AIを搭載したWebアプリケーション(www.GeneRecommender.com)も無料で提供。最先端の機械学習モデルを搭載したユーザーフレンドリーなアプリで、AIを最大限に活用できるようにするという。

・Sensosan Società Benefit
2020年にコロナ禍のローマ、そしてロベレートのイノベーション拠点で創業。「人々の体験や健康・安全、メンタルヘルスに関わる福祉の向上」という大きな問題の解決に取り組む。インテリジェント・ネブライザー(噴霧吸入器)と、メンタルヘルスに効果のある機能性芳香剤を取り扱い、現在は屋内環境の安全回復を目標としている。

取材・文:GH株式会社 島田

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