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三井不動産は、これまで日本橋を中心に進めてきた「ライフサイエンス領域におけるイノベーション創出」を支援する取り組みをさらに一歩前進させ、賃貸ラボ&オフィス「三井のラボ&オフィス」事業を拡大させている。
現在、国内では合計4施設を展開中のほか、海外でもラボ&オフィス事業を展開しているが、今回のBioJapanでは、一般社団法人LINK-Jと共に、三井リンクラボの物件ラインナップとオープンイノベーションを加速させる取り組みを紹介する。
三井不動産が提供するラボ&オフィスには、BSL2/P2クラスの実験が可能な施設もある。一部の施設では実験機器の共同利用のほか、三井リンクラボ葛西では2023年後から動物実験(マウスとラット)をP1Aレベルで行えるようになった。ウェット実験には初期投資に費用がかかるため、豊富な研究開発用機器や動物実験設備が整っていることは、特にスタートアップ企業には魅力であろう。
竣工済の4施設には、「都市近接型」と「シーズ近接型」の2つのタイプがある。
「都市近接型」(国内に3物件竣工済、3物件が計画中)は主に、都心に集積する大学や医療機関等、ライフサイエンス領域のキープレイヤーとの共同研究や、シーズの事業化および異業種企業とのコラボレーションを通じた、さらなるイノベーションの創出をイメージしている。利便性の高い立地に展開することで、豊富な人材の獲得や、ベンチャーキャピタルなど資金提供者との交流機会の増加につながる可能性が高まる。さらに、職住近接となることで、ワーカーの通勤時間の短縮や、働き方改革の実現も目指している。プライベート時間の充実はもちろん、結婚や出産・子育て等と両立させた研究職の継続、復職しやすい職場環境を提供することで、ワーカーのライフスタイルの向上を目指す。
都心近接型:「三井リンクラボ新木場2」 (2022年4月竣工)
「シーズ近接型」(国内1物件竣工済、さらに3物件が計画中)は、アカデミアや研究施設・先端医療施設等に近い立地となっている。最先端のシーズに対するアプローチが容易となり、シーズをもつ機関と連携しながら、最先端の研究・開発に取り組むことを可能とする。
シーズ近接型:「三井リンクラボ柏の葉1」 (2021年11月竣工)
BioJapanの展示ブースでは、それぞれの三井リンクラボとあわせて「オープンイノベーション支援プログラム」を紹介する。このプログラムは、研究・事業サポート、コミュニケーションネットワークサポートの2点を軸としたものとなっており、入居者の抱える多様な課題に対する、幅広い解決施策案を提供する。併せて、海外でのラボ事業も紹介する。
オープンイノベーション支援プログラムイメージ
近年、がん領域における革新的なex vivo遺伝子治療および研究が世界的にも活発となっており、今後はさらに他の疾患領域においても、研究開発が進むと言われている。一方、その実用化には多くの課題があり、その解決策を模索しているアカデミアや医療機関、研究者たちも多い。
こうした背景もあり、三井不動産は2022年秋、国立がん研究センター、帝人、J-TECとともに、柏の葉スマートシティを拠点とした「再生医療プラットフォーム」を構築した。シーズ近接型となる当プラットフォームでは、シーズ保有者のニーズに応えるべく、再生医療等製品の研究・開発から事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで提供。多くの疾患等に対する革新的治療法の創出を目指している。
BioJapanでは、10月12日(木)に「柏の葉における再生医療シーズの実用化に向けた取り組み~ex vivo 遺伝子治療用製品製造の課題解決を中心に~」と題したスポンサーセミナーを開催。再生医療に関連するKOL、医療機関および企業が登壇し、ex vivo遺伝子治療など再生医療等製品実用化にあたっての課題や解決ソリューションについて、実例を交えて紹介する。
取材・文:GH株式会社 島田
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