小間番号: A-55
カーボンニュートラル実現に向けて、化石燃料以外の原料から作られる航空機燃料が注目を浴びている。廃食用油や廃材などを原料とする航空機燃料がSAF(持続可能な航空燃料)である。SAFだけでなく、バイオエタノールの製造工程における技術提供に強みをもつのがBiomaterial in Tokyoだ。
Biomaterial in Tokyo研究開発部本部長の掛下大視氏は、「当社は石油由来ではなくバイオマス由来の原料、そして微生物を用いて循環型社会の実現を目指している。現在当社が最も力を入れているのがATJ (Alcohol to Jet) 技術によるSAFの製造および、その原料となるバイオエタノールの製造支援だ」と話す。
SAFとは、バイオマス由来の航空燃料である。航空燃料は現在石油由来燃料に大きく依存しているため、カーボンニュートラル実現に向けて解決すべき課題の一つとなっている。国土交通省は2030年のSAF使用量について、「本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換える」という目標を設定している。その具体的な量として、国土交通省では約250万から560万キロリットルと試算している(航空機運航分野におけるCO2削減に関する検討会第2回事務局説明資料より)。
現在、このような規模のSAFを製造する能力は国内には存在しない。裏を返せば、SAFの需要が今後伸びると想定したとき、事業拡大のチャンスでもある。
Biomaterial in Tokyoは福岡県筑紫野市に研究所をもち、SAF製造に関する技術開発を行っている。自社単独でのSAFの生産や販売はせず、顧客にSAF製造の技術提供やコンサルティングを行う。具体的には、年間10〜150キロリットル規模のSAF製造工場の設計と施工、あるいは年間2万キロリットル規模のSAF製造工場の設計に関するコンサルティングも可能だ。2024年2月には提携先の大興製紙が、建築廃材などからSAFの原料となるバイオエタノールの生産実証事業を開始した。
SAFについては、国際的な認証制度の一つにCORSIAというものがある。Biomaterial in Tokyoでは、2024年8月に提携先の丸住製紙大江工場にてパルプ工場として世界初のCORSIA認証を取得した実績があり、CORSIAの申請相談も可能だ。
Biomaterial in TokyoではSAFだけでなく、SAFの原料となるバイオエタノールの製造サポートも行っている。実際にバイオプラントやサプライチェーンを構築してきた経験や実績、人脈を活かして、セルロース系廃棄物を原料とする第二世代バイオエタノール製造プラントの設計と建設、サプライチェーン構築のノウハウを提供する。
また、第二世代バイオエタノールの製造技術を開発する中で各工程の生産ノウハウも蓄積しており、バイオマスの前処理、糖化処理、糖化酵素製造、エタノール発酵の各工程のサポートも提供可能だ。特に、糖化処理の工程で必要な糖化酵素生産について、菌株の提供や培養法の指導が可能、安価なコストでの導入プランを提供できると、掛下氏は自信をのぞかせる。
掛下氏は、「第二世代バイオエタノール製造の各工程はもちろんのこと、全工程をトータルでサポートできる。バイオモノづくりで重要となる温室効果ガス排出削減への取り組みと、SAF製造におけるCORSIA認証についても相談可能。処理に困っている未利用資源を製品に加工して販売したい、バイオエタノールやSAFの製造にご関心がある方はぜひ当社のブースにお越しいただきたい」と呼びかける。
【企業・団体名】Biomaterial in Tokyo
【URL】https://biomt.co.jp
【展示会】BioJapan
【小間番号】A-55
【主な展示】未利用原料からバイオエタノール製造、バイオエタノールからSAF製造技術の紹介
【会場内プレゼンテーション】 10月10日(木)14:25-14:55 Presentation Stage D
取材・文:GH株式会社 島田
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