小間番号: B-64
イタリア大使館貿易促進部(ITA-Italian Trade Agency)は、イタリア企業の国際化を推進する政府機関であり、イタリア企業や各州政府、業界団体、その他の官民関連組織と連携を取りながら、「メイド・イン・イタリア」製品およびサービスの販売力強化を目的として活動を行なっている。今回のBioJapanではイタリアのバイオテック企業5社を紹介し、世界市場におけるイタリアの存在感をアピールする。
イタリアの国内総生産(GDP)の約11%を占めるのがライフサイエンス産業であり、バイオテック企業823社と製薬企業747社からなる。製薬部門のCDMOの売上額はEU全体で1位であり、23%のシェアを誇る。医薬品および製剤の製造に関わる企業数はEU内で2位、その従業員数はEU内で3位と、豊富な企業と人材がそろっている。特許生産性に至っては世界第4位。R&D活動の質が極めて高く、2022年の投資総額は18億7000万ユーロ(約2950億円)に達するなど、将来性の高さがうかがえる。
また、イタリアの製薬・バイオテック部門は輸出志向が強いことも特徴に挙げられる。イタリアの医療・製薬輸出額は、2019年から2023年にかけて52%増となっており、この伸び率はEU内で最も高い。その総額は480億ユーロ(約7兆5689億円)を超える。
非常に勢いのあるイタリアのバイオテック産業。今回のBioJapanでは特色のある5社が紹介される。各企業の担当者も来日する予定となっており、イタリアのバイオテック産業の現在を知る貴重な機会となるであろう。
核酸の開発、製造に強みをもつバイオテック企業。核酸の研究開発からGMP下での製造まで、革新的なソリューションを提供する。20年以上にわたって細胞治療、遺伝子治療分野において核酸医薬品の研究開発や製造の経験を誇るという。プラスミドDNAについては、遺伝子治療やがん免疫療法向けのウイルスベクター、mRNA製造用途としての製造実績がある。mRNAも、ワクチン、がん免疫療法、遺伝子疾患治療向けに研究開発と製造を担っている。
ライフサイエンス業界全体にわたって総合創薬サービスを展開するリーディングカンパニー。ハイスループットスクリーニングや、ヒット化合物からリード化合物を創出するプロセスにおいて無細胞アッセイおよび細胞アッセイの開発に取り組んでおり、自社の低分子化合物ライブラリー42万5000種類または顧客が所有するライブラリーに対応する。iPS細胞由来の分化細胞の使用、CRISPR-Cas9、オルガネラ電気生理学、オプトジェネティックツールなどを用いて困難なターゲットにも対応する。
スパイロメーターやパルスオキシメーターなど、呼吸器疾患の管理や予防に向けた高機能医療機器を業務用、家庭用に開発している。創業から30年以上にわたり100カ国以上で製品を販売するといった、確かな実績を有している。近年ではスマートフォン対応のスマートデバイスを開発しており、医療従事者や患者が呼吸器を総合的にモニターできることに貢献している。業務用だけでなく家庭用デバイスも提供しており、家庭で呼吸器モニタリングを行うことで積極的な健康管理の実現を目指している。
空気清浄技術の先端企業として、先進的なプラットフォームによる心身の健康とウェルビーイングの向上に取り組んでいる。「エアインテリジェンス」「エアネブライザー」「エアポッド」を複合的に活用したプラットフォームが理想的な室内環境を作り出し、体験、安全性、機能的効果など、さまざまな面から脳と身体に効果を及ぼすという。特に不安、ストレス、抑うつを緩和するとしており、臨床試験のフェーズ2を実施中。研究完了と市場投入、および技術の規模拡大を目指して現在出資者を募っている。
WASP(World’s Advanced Saving Project)は、2012年にイタリアで創業した3Dプリンターメーカーで、製品を全世界で販売している。これまでにさまざまな3Dプリンターを開発し、食品、住居、健康、エネルギー、仕事、芸術、文化などのニーズに応えてきた中、医療・ヘルスケア領域にも力を入れている。医療グレードの高機能プラスチックであるPEEK樹脂もプリントでき、将来的には世界中どこでも患者のCTから人工関節を製作できることを目指す。
【企業・団体名】イタリアパビリオン
【URL】https://www.ice-tokyo.or.jp
【展示会】BioJapan
【小間番号】B-64
【主な展示】イタリアのバイオテック企業の紹介
取材・文:GH株式会社 島田
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