小間番号: B-51/B-53/B-54/B-55/B-56
医療系産学連携ネットワーク協議会(medU-net)は、全国の医療系アカデミアの産学連携部門の担当者による協力体制を構築することで、医療の発展を目指した産学連携を推進するネットワーク組織である。BioJapanではアカデミア法人会員18機関による合同出展を行い、各大学が有する研究シーズを紹介することで産学連携のさらなる活性化を狙う。
医療分野は臨床試験や当局への承認申請制度などの特殊性、特許成立や技術移転といった困難性を伴うため、他の産業分野と比較してイノベーション創出が起こりにくいという事実がある。そこで、医療系アカデミアのポテンシャルを最大限に活用するためにネットワークを構築し、医療系アカデミア全体として企業との連携や人材育成を目的にmedU-netが設立された。
2013年に法人会員に対する会費制導入後も会員数は増え続けており、アカデミア法人会員は36機関、アカデミア個人会員数は600人を超えている。また、企業や行政の会員も多い。
medU-net事務局長である東京科学大学副学長(産学官連携担当)医療イノベーション機構長・教授の飯田香緒里氏は、「活動開始当初は医療系大学や地方の国立大学の会員が多く、産学連携の人材が不足している中で基本的なことを学ぶボトムアップの要素が強かったが、最近は総合大学の加入が増えており、企業へのアプローチも含めたネットワークの可能性が期待されている」と、トレンドの変化について話す。
medU-netはさまざまな活動を行っているが、主な機能は以下の3つがある。
企業と医療系アカデミアをつなぐため、medU-netがワンストップとなり、いわば情報の集結基地として機能する。アカデミアからは研究シーズや連携の要望、求人情報などを集め、会員企業からは研究ニーズや公募情報が提供され、行政からは最新の政策やイベント情報などが提供される。これらの情報を会員向けに発信することで産学連携が生まれやすい環境を整備している。
BioJapanは、会員同士が交流するリアルな場となっている。もちろん、会員以外の方にとっても大学の研究シーズを知る機会になり、大学関係者にとっては他大学における産学連携の具体的な取り組みを知るブースとして最適だ。今年は全18機関が出展するため、さまざまな事例を把握できるだろう。
医学研究者や産学連携担当者向けにさまざまなセミナーをオンラインで開催している。知財や特許に関することから秘密保持契約、共同研究契約といった実務に関わること、さらにはAIやメタバースといった最新テックに関する情報を提供している。
また、実務者教育としてケーススタディワーキングも開催している。これは、産学連携支援実務の中で生じる具体的な悩みや問題点についてセミクローズな場で意見交換を行い、新たな気づきや解決策のヒントを得るための場としている。
medU-net事務局によるイベントやセミナーだけでなく、会員が自主的に運営しているコミュニティやワーキンググループもある。身近な関係性を構築して相談しやすい雰囲気を作ることでネットワークが活性化し、ひいてはイノベーション創出や医療の発展に貢献する。例えば、月に2回、ランチタイムに開催されるオンライン交流会では自由な話題提供や情報交換が行われている。
東京科学大学共通支援組織医療イノベーション機構でURAを務める磯部洋一郎氏は、「私自身、今の仕事を去年から始めたばかりで産学連携の経験がない中で不安でしたが、medU-netの仲間にいろいろ教えてもらって助かった。新しく産学連携に取り組む担当者にとって受け皿のような組織になっている」と話す。
BioJapanでのアカデミア法人会員18機関による合同出展について飯田事務局長は、「合同出展することで総合力のアピールになると考えている。ブースを訪れる来場者は、以前は製薬企業が多かったが、最近は国内外のスタートアップ企業、ヘルスケア事業への参入を検討している異業種の企業、ベンチャーキャピタルやアクセレーターも増えている。要望に応じて、出展大学以外にも会員向けに情報共有することも可能」と、来場者に呼びかける。
医療系アカデミアの研究シーズに注目している来場者にとって、さまざまな情報に触れられるブースになりそうだ。
【企業・団体名】医療系産学連携ネットワーク協議会(medU-net)
【URL】https://www.medu-net.jp
【展示会】BioJapan
【小間番号】B-51/B-53/B-54/B-55/B-56
【主な展示】アカデミア法人会員18機関による合同出展
【セミナー】出展大学による展示会場内プレゼンテーションあり(詳細はBioJapan公式サイトを参照ください)