【Alloy Therapeutics】自前主義から協奏へ、日本の創薬が世界で勝つためにできることは何か

小間番号: C-47

日本を含め世界に5拠点をもつAlloy Therapeutics(アロイ・セラピューティクス)は、世界の創薬イノベーションを先導するための創薬支援サービスを提供している。自社でパイプラインを持たず、支援に特化して業界全体の発展に寄与しようとしている。BioJapanでは、「創薬コンセプトからFirst in Humanまで15億円以下で達成」を実現するためのプロセスなどを紹介する。また、2つのセミナーでは、創薬業界全体に関わる課題を議論する。

多様な創薬基盤技術を有して創薬支援に特化

アロイ・セラピューティクスは2017年に米国ボストンで創業し、創薬支援サービスを提供している。創薬基盤技術として、主に多種特異性を含む抗体、TCR創薬、オリゴ核酸創薬、細胞治療、デリバリー技術の6種類を有している。2025年にはアジア初の拠点として日本支社が湘南アイパーク内に設置された。

特に抗体については、「創薬コンセプトからFirst in Humanまで15億円以下で達成」を目標に掲げる。これを実現するため、AIによるデジタル創薬、非臨床薬理、そしてCDMOまでをEnd-to-Endで完全統合。さらに、AIによるデータ解析と専門家の知見を融合した戦略立案プラットフォーム「TPP Engine」を活用し、プロジェクトごとに最も成功確率の高いモダリティや開発戦略を提案するという。これまでに、グローバルで200社以上の製薬企業やアカデミア、スタートアップなどと提携しており、進行中の共同創薬プログラム数は100を超え、パートナーと共に臨床開発に進めた開発案件は25を超えている。

同社の最大の特徴は、一般的なバイオテック企業と異なり、「自社独自の創薬パイプラインを一切持たず、パートナー企業の開発の加速とコスト効率化に専念する」という姿勢を一貫して取っている点にある。同社はこのビジネスモデルをProduct Development Organization(PDO)と呼んでいる。売り上げの増加を目指しがちなCROが立ち並ぶバイオ業界で、自社の成功を顧客の成功と結びつかせ、純粋なバイオ医薬品開発のインフラとしての役目に徹底することで、最先端技術を開放する。

日本支社の代表取締役社長の石井喜英氏は、「製薬企業やアカデミアが単独で行う自前主義から脱却し、真の協奏を通じて競争力を手に入れ、グローバル市場で勝利を挙げる。そういう考え方を、私たちのブースで実感してほしいと思います」と呼びかける。

日本の創薬業界が世界で勝ち抜くための支援

日本の創薬業界は世界トップクラスであるものの、自前主義や臨床開発の遅れ、グローバルへの発信力不足により、優れたサイエンスを事業成功に結びつけられないという課題に直面していると、アロイ・セラピューティクスはとらえている。そこで同社では、単なる創薬における技術支援にとどまらず、ベンチャーの起業・経営・資金調達などの支援も行う。そして、日本の高い研究力を生かし、高付加価値雇用の創出も目指している。

石井社長は、武田薬品工業から独立したAxcelead Drug Discovery Partners社の立ち上げや創薬維新ファンドの設立に携わった経験から、日本でのエコシステム構築について真剣に考えるようになったという。「日本が世界と戦って勝ち抜くためには人材育成が重要です」と語り、アロイ・セラピューティクスの技術を活用しながら、日本の研究者とともに創薬エコシステムを共創したいとしている。

2つの注目セミナーを開催

BioJapanの初日には、日本の創薬エコシステムの抜本的な再設計を問うセミナー「シン・創薬エコシステムの夜明け ~自前主義の限界から真の協奏へ~」が開催される。製薬企業は従来の自前主義から脱却し、スタートアップやベンチャーキャピタルを外部協業先ではなく「価値創造のパートナー」とみなすべき、と提案する。

本セミナーでは、単なる伴走支援を超えた行動変容に向けた取り組み、臨床開発を高速化するPDO構想などの新事業モデルを紹介。エコシステム内の複数の組織を人材がまたぐことで生まれる新たな事業機会や戦略的リターンの創出についての議論も行う。国内の製薬企業やベンチャーキャピタルの担当者も登壇する。

さらに2日目には、近年国際的な関心が高まるテーマに焦点を当てたセミナー「バイオセキュリティってナンだ?~知らないでは済まされない、『生命の安全保障』~」が実施される。アロイ・セラピューティクス本社が設立した国家安全保障部門の背景をもとに、日米のバイオテクノロジーと安全保障について知るべき最新情報を深掘りする。

日米両国の産業界のリーダーや政策有識者が一堂に会し、強固な国内医療サプライチェーンの構築やドラッグ・ロス解消に向けた規制調和を議論し、国境を越えた実践的なアクションプランを提示したいとしている。

社名のalloyは「合金」という意味。多様なプレーヤーが集まることで、単独ではなしえない成果を生み出すのがアロイ・セラピューティクスの目標だ。創薬業界全体を見渡したサービス内容と哲学を、ぜひ当日ブースやセミナーで見てほしい。

【企業・団体名】Alloy Therapeutics
【URL】https://alloytx.com/alloy-jp/
【展示会】BioJapan
【小間番号】C-47
【ランチョンセミナー】10月7日(水)12:00 ~ 13:00 F203「シン・創薬エコシステムの夜明け ~自前主義の限界から真の協奏へ~」
【スポンサーセミナー】10月8日(木)13:00 ~ 14:00 F203「バイオセキュリティってナンだ?~知らないでは済まされない、「生命の安全保障」~」

取材・文:GH株式会社 島田

来場登録はこちら(無料)