【データフォーシーズ/TandemAI】物理学と融合し、予測で終わらせないAI創薬を

小間番号: H-08

AI創薬の普及に伴い、「ドライとウェットの分断」、「合成不可能な分子の出力」、「莫大なインフラコスト」という3つの壁が顕在化している。これらの課題に立ち向かい、「AI創薬を、予測で終わらせない」と提示するのが、グローバルスタートアップTandemAIが提供する、物理学とAIを融合させたクラウド型創薬プラットフォーム「TandemViz」だ。healthTECH JAPANでは、国内での導入・運用を伴走支援するデータフォーシーズと共同出展する。

物理学の融合とCBFE技術がもたらす創薬プロセス革新

データ駆動型AI創薬が注目されて久しいが、既存データに基づくパターン認識に依存するため、データが存在しない新規標的への外挿が難しいという課題が浮き彫りになっている。また、予測根拠が不透明で、標的分子との結合能を優先するあまり合成不可能な分子を候補に挙げてしまい、ウェットでの検証に時間やコストがかかってしまうこともある。

グローバルスタートアップであるTandemAIが展開するクラウド型AI創薬プラットフォーム「TandemViz」の最大の特徴は、物理学に基づく計算シミュレーションだ。

TandemAIのAlbert Pan CTOは、「従来のAIは解を出しても、『なぜその解になったのか』という理由を理解するのが困難なケースがあります。物理学はブラックボックスではないため、『この相互作用が原因で結合能が高くなった』と理解できます。物理シミュレーションは、分子の挙動を原子レベルで可視化する『計算機上の顕微鏡』と呼べるものです」と述べる。

TandemVizの強みの一つは、独自開発された結合自由エネルギー計算技術「CBFE(Core Hopping Binding Free Energy)」にある。従来の自由エネルギー摂動(FEP)計算法では分子端の微小なR基置換の評価に限られていたが、CBFEは分子の中心骨格そのものを変更するコアホッピング(スキャフォールドホッピング)を可能にするという。これにより、競合特許の回避やADMETの壁を打破する、新しい基本骨格の創出が容易になるとのこと。

評価プロセスの95%以上をドライ(デジタル上)で完結させることで、通常数年を要する前臨床候補化合物(PCC)の同定期間を平均12ヶ月に短縮できるという。Pan CTOは、「スピードだけでなく、候補分子の質の高さも重要です。TandemVizにより、仮想空間上で広範な探索が可能になります」と述べる。

創薬探索を自律化する次世代AIエージェント

2026年11月に搭載予定としている機能が、自律型AIエージェント「Joule AI Scientist」だ。従来の高度な計算化学ツールの操作には専門的な知識や複雑な手順を必要とするため、ウェット実験をメインとする人にとっては導入ハードルが存在していた。

Jouleは直感的なチャット形式のUIと3D構造可視化を融合させ、研究者が高次元の研究目標(ゴール)を入力するだけで、最適なツールを自律的に選択・実行して解析を推進する。Jouleでは、世界モデルに基づく高度な推論と、各種計算ツールを自在に操作する実行モードが密接に連動して機能する。

人間による手動の探索では、一度に検証できる設計経路の数は限られてしまい、現実的な時間内で評価できるアイデアの数に限界があった。これに対し、Jouleによる自律型探索は、ケミカルスペースを拡張しながら多数の有望候補を同時に提案できるところに強みがある。

24時間365日体制で稼働するこの次世代エージェントは、創薬探索のスケールとスピードを大きく変える強力なパートナーとなるだろう。

高度なセキュリティと国内伴走体制でAI創薬の導入壁を打破

先進的な海外発AIツールの導入において、国内製薬企業が懸念するのが「データセキュリティ要件」や「時差・言語の壁」、そして「既存研究プロセスへの定着」という課題だろう。TandemAIはすでにグローバル大手製薬企業との豊富な協業実績を持ち、最高水準のセキュリティ基準と高いシステム稼働率を担保している。

日本国内においては、データ解析を得意とするデータフォーシーズが橋渡しとなり、日本語ワンストップ窓口を開設する。有機合成や創薬化学に精通した専門家がシステム構築から解析コンサルティングまで伴走支援を行うため、研究現場への導入・定着や投資対効果の最大化をスムーズに促す。

ぜひhealthTECH JAPANのブースへ足を運び、次世代AI創薬のインパクトを体感していただきたい。

【企業・団体名】データフォーシーズ/TandemAI
【URL】https://data4cs.co.jp/life-science/ https://tandemai.com/
【展示会】healthTECH JAPAN
【小間番号】H-08

取材・文:GH株式会社 島田

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