【大関】醸造研究で培った麹菌遺伝子組換え技術によるタンパク質受託発現サービスと細胞壁溶解酵素シリーズ

小間番号: B-69

大関は清酒醸造の歴史で培った発酵技術を基盤に、バイオテクノロジー領域の研究開発を続けてきた。近年急速に発展する「バイオものづくり」において、同社の技術は研究の加速や生産プロセスの最適化を支える重要なピースとなっている。今年のBioJapanでは、麹菌によるタンパク質受託発現、微生物受託培養、そして高性能な細胞壁溶解酵素シリーズを重点的に紹介する。生産性の低いタンパク質の生産課題やスケールアップに悩む研究者・事業者にとって直接課題を相談できる貴重な機会となるはずだ。

麹菌技術によるタンパク質受託発現サービス

清酒醸造をはじめとする発酵食品の製造に長年用いられてきた麹菌(Aspergillus oryzae)は、長い食経験から高い安全性が認められている微生物である。真核微生物に分類される麹菌は、アミラーゼなどの産業用酵素を菌体外へ大量に分泌生産する能力を備えている。

大関では、この麹菌の性質を活かし、2009年に組換えタンパク質受託発現サービスを開始。現在、バイオものづくりにおける生産ツールとしての認知度が高まっている。

汎用的な大腸菌や酵母の生産系では、タンパク質の正しいフォールディングが起きずに不溶化し、封入体(インクルージョンボディ)や凝集体を形成することがある。そのようなタンパク質であっても、麹菌であれば生産できるケースがあるとのこと。ジスルフィド結合(S-S結合)や糖鎖付加など複雑な構造をもつ酵素であっても、活性を保った状態で高分泌生産できた事例もあるという。

タンパク質受託発現プロジェクトにおける全体の発現成功率は86%に達し、糸状菌由来で92%、原核生物由来で65%、担子菌由来で63%と高い実績を誇る。このような高い性能を誇る理由は、改良プロモーターや高効率な5' UTRなどを用いた独自の高発現ベクターを構築しているからだ。コドン最適化やプロテアーゼ低生産宿主の活用も組み合わせることで、大量かつ高純度な生産系を確立している。実際、工業領域、診断薬原料、食品加工領域、研究用途など、幅広い分野での受託実績があり、汎用的な発現系で生産に難航するタンパク質をもつ企業にとって、大関の麹菌によるタンパク質発現はバイオものづくりを加速させる強力な生産ツールとなるだろう。

微生物受託培養サービスはラボからパイロット規模に最適

大関では、麹菌によるタンパク質受託発現にとどまらず、幅広く微生物の受託培養サービスも展開している。清酒醸造で培った長年の発酵管理技術を基盤とし、麹菌をはじめとする糸状菌や、大腸菌、放線菌、酵母など、組換え体・非組換え体問わず、多様な微生物種の培養に対応する。また培養のみならず、菌体分離、濃縮、凍結乾燥処理まで、一連の工程を一括で受託することも可能という(応相談)。

保有する培養槽は5L、10L、300Lとなっており、ラボスケールからパイロットスケールに最適といえる。大学やスタートアップ、企業の研究部門において、「まずはラボスケールで検証を始めたい」「自社設備では300Lクラスの培養が難しい」といったフェーズのニーズを満たす体制を整えている。

ラインナップ豊富な細胞壁溶解酵素シリーズ

BioJapanでは上記のタンパク質発現と微生物培養の受託サービスに加え、各種微生物の細胞壁を効率的に溶解する「細胞壁溶解酵素シリーズ」も紹介する。研究用の複合酵素剤として長年の実績を有し、大学や企業の研究現場における遺伝子導入や解析を支えている。

本シリーズは、ターゲットとする微生物の細胞壁構造に合わせてラインナップが体系化されている。糸状菌用には、キチナーゼやキトビアーゼ活性を主体とするYatalase(ヤタラーゼ)を提供。さらに、従来はプロトプラスト化が難しかった種の細胞壁溶解を可能にするため、α-1,3-グルカナーゼ活性も含んでいるのがYatalase -Plus-(ヤタラーゼ・プラス)である。Yatalase -Plus-による処理は、泡盛や焼酎の製造に利用されている黒麹菌(Aspergillus luchuensis)や白麹菌(Aspergillus kawachii)のプロトプラスト形成も確認されている。

酵母用には、β-1,6-グルカナーゼ活性を主体として、子嚢菌酵母だけでなく、担子菌酵母、不完全菌酵母にも幅広く作用するWestase(ウエスターゼ)を用意。乳酸菌や火落菌をはじめとする細菌類の溶菌には、β-N-アセチル-D-グルコサミニダーゼ活性、ムラミダーゼ活性を主体とするLabiase(ラビアーゼ)が適している。

大関総合研究所の担当者は、BioJapanのブースにおいて受託サービスの紹介に加え、酵素試薬の新たな用途開発や共同研究の機会を幅広く探索したいとしている。

【企業・団体名】大関
【URL】https://www.ozeki.co.jp/food_bio/
【展示会】BioJapan
【小間番号】B-69

取材・文:GH株式会社 島田

来場登録はこちら(無料)